ハローワールド

障害年金請求に立ちふさがる壁。初診日のカルテがない!

2015.7.9

法律

hello20150709_79166706_XS
障害年金の請求をする際に一番に用意しなければならない書類が、現在の障害の初診日を確定するための「受診状況等証明書」です。これを初診時の医療機関に持参して記入してもらうのですが、実際に書いていただくには先方にカルテが残っている必要があります。
しかし、法に定められたカルテの保存期間は5年。糖尿病など長期に渡って少しずつ悪化していく病気では、いざ請求しようと思った時にはカルテがすでに破棄されていることが多いのです。中には医療機関自体がなくなってしまっているケースも。

そうなると大事な初診日の確定ができず、障害認定日を決めることも不可能。どんなに障害の重い方も、それ以上通常の手続きを進めることができなくなってしまいます。

こうして初診日のカルテがないケースでは、「受診状況等証明書が添付できない申立書」を書くことになりますが、年金の支給を受けるにはそれだけでは足りません。受診状況等証明書に代わる初診日が確定できる証拠を提出することも求められますので、八方手をつくして探すことになりますが、これがまた一苦労。周囲の人や社会保険労務士の助けがなければ難しいことでしょう。

運よく自宅や病院に退院証明書が残っていたり、保険会社に入院給付金を請求した時の入院日確認書などが見つかればいいのですが、うまくいく時ばかりではありません。過去にはレントゲン写真に入った日付や糖尿病手帳が証拠として認められた例もありますが、これもケースバイケース。

なお、20歳前に病気やケガで障害が残ってしまうなどしたいわいる「二十歳前傷病」の障害基礎年金の請求に限っては、平成24年より、「初診日の証明がとれない場合であっても明らかに20歳以前に発病し、医療機関で診療を受けていたことを複数の第三者が証明したものを添付できるときは、初診日を明らかにする書類として取り扱う」とした厚生労働省の通知が出ています。これはまだまだ対象が限定的ではあるものの歓迎したい出来事ですね。

カルテの電子化が進んでいる現在、長期保存を行う医療機関も増えており、将来的には初診時のカルテがないことによる悲劇は少なくなっていくことでしょうが、制度の精神から考えればこのような厳しすぎる受給要件は早期の緩和を望みたいところです。

日下部敦子

日下部敦子

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

PAGE
TOP