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「特別養子縁組でも育休を」厚労研が報告書を提出し来年法改正へ

2015.8.21

法律

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厚労研が、特別養子縁組を結ぶ里親が「育児休業」を取得できない現状の制定を「育休を認めるべき」と改める報告書を2015年7月30日、まとめました。

特別養子縁組とは?

母親が育てられない赤ちゃんを、出産直後などなるべく早い時期に「新しい家庭」で受入れ、‘親’の愛情のもと育てる仕組みで、戸籍上も実子となります。予期せぬ妊娠や貧困、虐待などの理由で親と暮らせない6歳未満のこどもが対象となります。

現状の問題点とは?

そもそも、「育児・介護休業法」とは、働いている人が雇用主に申し出れば『子供が原則1歳になるまで育休を取得できる』というもの。ですが、特別養子縁組の場合、正式な縁組を結ぶために初段階で半年以上の「試験養育期間」を設けることが義務づけられています。そのためこの期間中は法律上「子」とは認められず、0歳の養子を引き取る親は、育て始めの半年以上育休の権利を得ることができないという問題がありました。
そして今回、厚労省は労働政策審議会での議論を経て、来年・2016年の通常国会に育児・介護休業法の改正案を提出する方針を発表しました。

普通養子縁組との違いは?

親子関係のない者同士が法律上親子関係があるものにする「養子縁組」ですが、普通養子縁組の場合、養子は養子の実の親と関係が切れません。
しかし特別養子縁組の場合、実の親との親子関係が切り離されるため戸籍上「父、母」と記載されます。そのため手続きが普通養子縁組に比べ厳しく、6ヶ月間の試験養育期間と家庭裁判所による審判が必須になっています。
そして今回育休の対象として多くの要望が出ているのがこの「半年間の試験養育期間」です。

日本の企業で、試験養育期間中の里親の育休を受諾したのはわずか9%

厚生労働省によると、企業547社のうち「育休対象」を法律上の子供に限定する企業はおよそ60%、それに対して試験養育期間中の里親についても育休を認めている企業はたったの9%だったそうです。
法律上の子供ではないがために、育休を認める企業の半数以上が里親の育休希望を受理できなかったとなれば、法改正の要望があがってもおかしくありませんね。

日本では、さまざまな理由から親と一緒に暮らせない子どもは約3万6千人にも上ります。こうした子どもの8割以上が乳児院や児童養護施設など施設で暮らしているといわれ、この問題の解決策の一つとして注目されているのが「特別養子縁組」です。
政府は「今後15年間で家庭での養育を全体の3割以上に引き上げる」と目標を掲げていますがなかなか進まないのが現状。迅速なサポートと法改正を期待します。

佐久間良美

佐久間良美

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