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2020/12/09

事例でわかる!ハローワールドの就労移行支援~知的障害・Yさんの場合~

こんにちは、株式会社ハローワールドです。

先日スタートした新マガジン、『事例でわかる!ハローワールドの就労移行支援』。

今回は、担当支援員の「三浦さん」と一緒に、とある知的障害の利用者さん(以下、Yさん)の事例をご紹介します。

ご家族の危機感とご本人の意識のギャップ

Yさんがご家族と一緒に初めてハローワールドに訪れたのは、2016年3月のことでした。専門学校卒業後に建設会社で働いていたが、仕事についていけず自主退職に至ったそうです。

Yさんの障害は「知的障害」でした。学生時代は普通学級で過ごしてきたものの、仕事を覚えられないYさんを見たご家族が「もしかして…」と思い、退職後に検査を受けたところ発覚。行政に相談したところ、就労移行支援事業所であるハローワールドの紹介を受けたということでした。

しかし、「このままではいけない」というご家族の危機感とは裏腹に、Yさん本人は通所に対してあまり乗り気でない様子でした。口数は少なく、希望する仕事についても「お金が手に入れば職種はなんでもいい」と、まるで他人事のような様子。このような態度では、たとえ能力があっても雇いたいと言ってくれる会社はなかなか見つからないだろうと考えた私たちは、「対人スキルの習得」や「働くことへの意欲向上」を当初の支援の目標に設定しました。

「このままでは就職できないかもしれない」支援員の危惧

Yさんの支援は、なかなか順調には進みませんでした。就職への意欲が低いため訓練にも身が入らず、寝不足による体調不良を理由に通所を休んだり、利用者さんにイタズラを仕掛けるなど……。

また、ご家族に嘘をついて手に入れたお金を遊びに使い切ってしまう、洗濯をしない汚れたTシャツを着て通所するなど、生活面においてもしばしば支援員から注意をすることがありました。

どうやらYさんは、その場の「楽しいこと」を見つけると、本来の目標や社会的なルールを忘れてしまうことがあるようでした。逆に、大変なことや面倒なことに関しては、嘘をついたりサボったりとあらゆる手を使って逃れようとする傾向にありました。

何度注意しても、その場限りの返事や言い訳をして誤魔化すYさんの姿を見て、私たち支援員は一抹の不安を覚えました。
「このままだと、利用期間内にYさんが就職することはできないのでは…?」

Yさんの心の奥にあった「変わりたい」という思いと、支援員の地道な声掛けが実を結んだ

それから、Yさんの通所態度や生活習慣を改善するための様々な取り組みが始まりました。しかし、何か特効薬や画期的な方法があるわけでもなく、一朝一夕で改善が見込めるものでもありません。自分の行動が「いけないこと」と理解はしているものの、やはりその場の誘惑や面倒臭さに負けてしまうYさんに態度を改めてもらうには、地道な声掛けや毎日のチェックを通じて、習慣として身に着けてもらう他にありませんでした。
いきなり全ての課題を解決することは難しいため、働くために不可欠な「体調管理」と「対人関係」に焦点を当てた取り組みを行いました。

もちろん、すぐに行動が改善されることはありませんでした。少し調子が上がってきたと思ったら、すぐに気が緩んで体調不良やトラブルを起こす…といったことの繰り返しでした。その度に私たちは、そのような行動を取ることで就職という目標が遠のき、最終的に困るのは他でもないYさんであるということを説明しました。たとえ同じ言葉を何回繰り返すことになっても、昨日できていたことが今日できなくなっていても、私たちはいつかYさんが変わると信じて諦めませんでした。Yさんの心の中にも「このままではいけない」という思いがあり、なんとか変わろうとしていることが、面談などの日々のコミュニケーションを通じて感じ取れたからです。

支援員の、そして他でもないYさんの努力が実を結んだのは、初めての通所から2年7ヵ月が経過した頃でした。このままでは就職できないまま利用期間が終わってしまうという状況の中、課題解決と並行して行っていた就職活動で、Yさんは自動車製造関連の会社から内定を得ることができました。

その頃のYさんは、金銭管理などに課題は残っていたものの、体調管理・対人関係・身だしなみについては概ね改善されている状態でした。もちろん、就職ができたのは、Yさんがもともと持っていた人柄や技術が評価されたからに他なりません。しかし、かつては安定して通所できず、通所してもトラブルの原因になっていた彼が、長い時間をかけて自分の課題と向き合いそれを乗り越えていったという事実は、企業担当者にとっても評価すべき点として映ったのではないかと、私たちは考えています。

残る課題の解消を目指し、定着支援を利用中

現在Yさんは、ハローワールドの定着支援サービスを利用しています。
初めてハローワールドに訪れたときは、「仕事の内容はどうでもいい」と言っていたYさん。そんな彼は、今や定着支援の面談で「仕事が楽しいのでサボりたくない」という言葉を口にするほど変わったそうです。就職先の人事担当者の方からも、「入社当初はサボり癖が目についたが、今は改善されている」というお言葉を頂いています。

現在は、稼いだお金を遊びに使い切ってしまわないよう、金銭管理の力を付けることを目指している最中です。「楽しい事にお金をつぎこんでしまう」というのはとことんYさんらしくもありますが、現在は定着支援事業所にてYさんを担当している三浦さんいわく、「一進一退を繰り返しながらも少しずつ改善に向かっている」とのことです!

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以上、知的障害がある中で自分の課題と向き合い、大きな変化を遂げ就職を果たしたYさんの例でした。

Yさんのように、「わかっていても実践できない」「変わりたいのに変われない」という人は少なくありません。ハローワールドでは、そんな方々を専門的なプログラムや経験豊富なスタッフによる個別支援でサポートします。自分ではどうにもできない課題にぶつかっている…と感じる方は、就労移行支援や自立訓練などの福祉サービスを利用するのも一つの選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

私たちハローワールドは、関東エリアを中心に就労移行支援事業所や自立訓練事業所を運営しています。今回登場した支援員・三浦さんが当時在籍していた大宮事業所をはじめとして、各事業所にて見学や相談を随時受け付けております。少しでも興味がある方は、是非ホームページをご覧ください。

ハローワールドの就労移行支援・詳しくはこちら

 

それでは、また次回の記事でお会いしましょう!

     
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